蝶の奇跡との出会いから、三年が経った。
レイとショウ、そしてチタの三人は、
いつの間にかなんとなく成り行きで、世界の伝説を巡る旅をしていた。
しかし、あくまでも伝説は伝説。なかなか本物には出会えない。
死者を甦らせる竜も、不老不死になった女も、
「腹が減った」と言うと飛んできて自分の頭を食わせようとするあんぱん男も、
全部嘘だったじゃねえか!!
ショウの怒鳴り声をBGMにして、穏やかな旅が続く。そして……
「俺にもあったよ、奇跡。アイイロに出会えた」
奇跡を起こすと信じられてきた、藍色の鳥。藍色の一族。
「この程度の命で藍色の鳥が手に入るなら、ずいぶん安い買い物だ」
野蛮にも清らかにもなれないアイイロは、
「私といたら、ソラは不幸になる。だからもう私のことは、忘れて――」
ただ一人が幸せになるなら、それでよかった。
「俺は君を忘れない。君を、恐れない」
……三人の前で、また新たな奇跡の物語が紡がれる。